• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

淡水化のための新規透過膜の構造に関する分子論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25630070
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

泰岡 顕治  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40306874)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード分子動力学 / 分子シミュレーション / 淡水化 / カーボンナノチューブ / 揺らぎ / 電場
研究実績の概要

当初の計画では,淡水化を行う方法として水分子のみを透過させる親水基付加型カーボンナノチューブを用いて,同時に研究を進めて来ているにアクアポリンの解析から得られる揺らぎに関する情報を付加した方法を検討していた.しかし他の研究グループでも親水基付加型カーボンナノチューブに着目している研究があったため,揺らぎの効果は後ほど取り入れて行くこととして,カーボンナノチューブを使用した新規の淡水化の方法を検討することとした.そこで本研究では電場を付加することでより簡便に淡水化できる方法を検討した.水/メタノール混合系において,電場を付加した予備計算を行ったところ,淡水化の傾向がみられた.そこで,水分子のみの系について電場を付加した計算を行い,電場の強さを変えるとカーボンナノチューブ内で結晶構造のような構造ができることを確認した.電場がない系において温度を低くした際に見られる構造と同様のものもあるが,ヘリカルな構造も観察することができた.次に,水/メタノール混合系においても同様の計算を行い,電場の強さを変えると水分子のみがカーボンナノチューブ内に存在するようになることを確認した.これは,カーボンナノチューブのサイズを変えても同様に見ることができ,これまで報告されて来ている似たような系での研究と比較して,淡水化の効果が高いことが分かった.水分子のみの系については,J. Chem. Phys.誌に論文として発表された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画では,淡水化を行う方法として水分子のみを透過させる親水基付加型カーボンナノチューブを用いて,同時に研究を進めて来ているにアクアポリンの解析から得られる揺らぎに関する情報を付加した方法を検討していた.しかし他の研究グループでも親水基付加型カーボンナノチューブに着目している研究があったため,揺らぎの効果は後ほど取り入れて行くこととして,カーボンナノチューブを使用した新規の淡水化の方法を検討することとした.その結果,当初考えていたよりは淡水化の効果がある方法を提案することができたので,おおむね順調であるとした.

今後の研究の推進方策

揺らぎと淡水化の関係については,昨年度アクアポリンを用いて研究を進めて来ており,揺らぎの利用について今後も検討を進めて行く.一方,本年度行った電場を付加する方法については一定の成果が出て来ているので,水/エタノールや水/イオンなどの系にも拡張して,淡水化の可能性について研究を進めて行く.

次年度使用額が生じた理由

本年度の成果を国際会議にて発表する計画を立てていたが,より良い結果が出てきたため論文を投稿してから更なる新しい結果を国際会議にて発表することとしたため11万ほどを次年度への使用としたため,次年度使用額がでた.

次年度使用額の使用計画

既に論文を投稿し,5月のカルガリーでの国際会議に発表を申し込んでおり,次年度使用額と次年度助成金50万を会わせて,国際会議での発表,論文投稿費用などとして使用する予定である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Structures of water molecules in carbon nanotubes under electric fields2015

    • 著者名/発表者名
      Winarto, Takaiwa, D., Yamamoto, E. and Yasuoka, K.
    • 雑誌名

      J. Chem. Phys.

      巻: 142 ページ: 124701 (9pages)

    • DOI

      10.1063/1.4914462

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Origin of 1/f Noise in Hydration Dynamics on Lipid Membrane Surfaces2015

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, E., Akimoto, T., Yasui, M., and Yasuoka, K.
    • 雑誌名

      Sci. Rep.

      巻: 5 ページ: 8876

    • DOI

      10.1038/srep08876

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Water molecules structure confined in carbon nanotube and electric field and its separation effect2015

    • 著者名/発表者名
      Winarto, Takaiwa, D., Yamamoto, E., and Yasuoka, K.
    • 学会等名
      International Workshop on Extended-nano Fluidics (IWENF2015)
    • 発表場所
      東京大学(東京,文京区)
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-27
  • [学会発表] Origin of 1/f fluctuations of number of water molecules on lipid membrane surfaces2014

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, E., Akimoto, T., Yasui, M., and Yasuoka, K.
    • 学会等名
      International Symposium on Extended Molecular Dynamics and Enhanced Sampling:Nosé Dynamics 30 Years (NOSE30)
    • 発表場所
      慶應義塾大学(東京,港区)
    • 年月日
      2014-11-10 – 2014-11-11
  • [学会発表] Preference of Water and Methanol Molecules Flowing into Carbon Nanotubes under Influence of Electric Field2014

    • 著者名/発表者名
      Winarto, Takaiwa, D., Yamamoto, E., and Yasuoka, K.
    • 学会等名
      International Symposium on Extended Molecular Dynamics and Enhanced Sampling:Nosé Dynamics 30 Years (NOSE30)
    • 発表場所
      慶應義塾大学(東京,港区)
    • 年月日
      2014-11-10 – 2014-11-11
  • [学会発表] 1/f noise in hydration dynamics on lipid membrane surfaces2014

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, E., Akimoto, T., Yasui, M., Yasuoka, K.
    • 学会等名
      Molecular Simulation Studies in Material and Biological Sciences
    • 発表場所
      モスクワ(ロシア)
    • 年月日
      2014-09-20 – 2014-09-22

URL: 

公開日: 2016-05-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi