細胞の内外を分ける細胞膜内に存在するタンパク質であるアクアポリンは,水分子のみを透過する特殊な分子である.この分子の特徴を研究し,カーボンナノチューブを用いて淡水化のための新規透過膜について研究を行った.アクアポリン内部のアミノ酸間の距離のゆらぎを解析した結果,1/fゆらぎであることを示した.またカーボンナノチューブを用いた系においては,電場を印可することにより水のみの系ではカーボンナノチューブ内に螺旋状の氷構造ができることがわかった.水/アルコール混合系に電場を印可した際には,水分子のみがカーボンナノチューブ内に存在し,水とアルコールの分離を行うことに成功した.
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