提案する力測定機構によって,3次元の力測定を行えることを実証するために,検出点一体形3次元力測定装置を開発し,その性能を実験的に調べた. (1)検出点一体形3次元力測定装置の開発 作用点に作用する力の3分力を測定するには,つぎのような方式が考えられる. (a) 検出点を三つとして,3個の検出点変位を組み合わせて,検出する(分散形) (b) 検出点を一つとして,検出点の3次元変位を検出する(一体形) 27年度は,検出点一体形3次元力測定装置の設計・製作を行った.まず,鉛直方向に関しては,検出点,作用点を直列2重磁気浮上系と同じような配置にすることにより,作用点に対する鉛直方向の力の測定が可能とした.さらに,この系に対して水平方向の制御を加えることで,鉛直,水平方向三次元の力の測定を行うことができるようにした.具体的には,水平方向の検出点を輪状の構造にし,そこに永久磁石を四個配置して,水平方向に負の剛性を持つようにした.このような構成とすることにより,水平方向の検出点が一体となって移動するため,直列二重磁気浮上系を別々に四つ配置するよりも,センサの数を少なくすることができた.さらに,水平方向の運動に関しては,差動的に制御するので,より制御性能が良い制御系を構築することができた. (2)制御系の構成と測定性能の評価 前年度と同様な手順で制御系を実装し,測定精度などの性能の評価を行った.そして,前年度開発した分散形との性能を比較した結果,検出点一体形の方が良い性能を示していることを確認した.
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