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2013 年度 実施状況報告書

MEMSメタマテリアルを用いた音響カーテン

研究課題

研究課題/領域番号 25630075
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東京大学

研究代表者

高橋 英俊  東京大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (90625485)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードマイクロ・ナノデバイス / ヘルムホルツ共鳴器
研究概要

本研究課題では、音響メタマテリアルを用いることで、特定の周波数に対して遮音効果を有する音響カーテンの提案を目的とする。平成25年度においては、提案する構造の吸音効果の定量的な評価を行った。そのために、直列化したヘルムホルツ共鳴器と並列化したヘルムホルツ共鳴器をラージサイズで試作し、周波数応答特性を計測した。3Dプリンタを利用することで、ヘルムホルツ共鳴器の形状を円滑に試作できる。具体的には、提案する並列化した構造は、穴に沿ってヘルムホルツ共鳴器の“ネック”と“キャビティ”が正6角形の形状に形成されている。この構造が直列化したヘルムホルツ共鳴器と同等の吸音効果を持つかを実験した。実験には試作したデバイス、スピーカ、ネットワークアナライザ、マイクロフォンからなる音響計測実験の一連の実験セットアップを用いた。実験の結果、1層の並列化したヘルムホルツ共鳴器では共振周波数帯付近において-20 dBの吸音効果があったが、さらに2層にすることで-40 dBの吸音効果を得られた。これは5層から10層程度、直列化したヘルムホルツ共鳴器の持つ特性と等しかった。さらに直列化したヘルムホルツ共鳴器では共振周波数帯以外で音響導波路そのものの影響と考えられる応答特性にうねりが観察されたが、並列化したヘルムホルツ共鳴器では見られなかった。提案する構造は従来の直列化した共鳴器構造と比較して、平面形状で吸音効果を得られるだけでなく、応答特性がノッチフィルタとして適した構造であることが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度は、到達目標であった音響カーテンを実現するために最適なメタマテリアル構造の構築と、音響計測実験に必要なセットアップの構築、及び音響シミュレーションによる共鳴器の評価が達成できたため、順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

前年度に構築した構造を基礎として複数個アレイ上に配置することで、音響カーテンを目指す。素子単体の評価では分からなかった、素子同士の干渉、カーテンの開口率等を考慮し、応答特性についても前年度と同様に評価し、音響カーテンとしての最適な形状を探る。

次年度の研究費の使用計画

主な理由として、海外での学会発表を計画していたが、タイミングが合わず、旅費及びその他経費の費目において多く次年度使用額が生じた。
基本的な計測系は前年度に組み上げたので、主にそのセットアップを音響カーテンの評価に応用するための改造など微調整する目的で研究費を使用する。またデバイスを製作するための材料費として研究費を使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ヘルムホルツ共鳴器を並列に接続した音響メタマテリアルに関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      田村洋人, 高橋英俊, 高畑智之, 松本潔, 下山勲
    • 学会等名
      センサ・マイクロマシン部門(E部門)平成25年度総合研究会
    • 発表場所
      東京工科大学, 蒲田キャンパス
    • 年月日
      20130808-20130809

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公開日: 2015-05-28  

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