研究課題/領域番号 |
25630082
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
永谷 圭司 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80314649)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 火山探査ロボット / 移動ロボット / 不整地走行 |
研究概要 |
活動中の火山において,火山の火口近辺に堆積した火山灰の厚さ分布や組成を観察するため,無人ヘリコプタ投下型の小型探査ロボットによる観察システムが最も有力視されている.本研究では,斜面を転がる現象を制御することで,不整地斜面を効率的かつ高速に下ることが可能な,小型移動ロボットの研究開発を進めている. 平成25年度には,斜面転がり型移動ロボットのプロトタイプを製作した.このロボットは,円筒形をしており,左右にスポークが取り付けられている.このスポークは,本体と回転関節で接続されており,放射状に展開し,自由 端側を直径として,斜面を転がることができる.また,本体内部の台形ねじがDCモータによって回転することにより,ナットが左右に移動する.このナットの動作と同期して,ロボットの外側のプレートも左右に運動する.この斜面転がり型移動ロボットの特徴として,従来の移動機構と比較して低消費電力であるという点が挙げられる.例えば,車輪型火山探査ロボットCLOVERは,車輪の駆動に11WのDCモータを2つ用いており,浅間山斜面でのフィールド試験では,30Wh のバッテリで2時間の動作が限界であった.一方,斜面転がり型移動ロボットの移動に関するアクチュエータは,進行方向を変化させるためのDCモータ1つである.さらに,斜面を下る際には,ロボット自身の位置エネルギーを利用するため,電力を消費する必要がない.したがって,斜面転がり型移動ロボットは,従来のロボットと比較して長時間の動作が可能となる.このロボットを用いて,小浅間山斜面で予備試験を実施した.その結果,比較的凹凸のある環境においても,開発した移動機構がステアリングを切ることができることが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
提案した機構のプロトタイプ機を製作し,車輪径の制御について不十分であるが,火山環境において,提案機構の有用性を確認することができたため.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度前半には,平成25年度において不十分であった車輪径制御を確立し,斜面における安定した走行を実現する.また,9月ならびに10月には,このプロトタイプ機を用いて小浅間山にて走行試験を行い,実環境における有用性を確認する.さらに,平成26年度後半には,円筒形のロボットに視覚センサを搭載し,転がりながら環境情報を取得する手法について検討・実装を行う.
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