研究課題/領域番号 |
25630083
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
内山 勝 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30125504)
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研究分担者 |
姜 欣 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30451537)
安孫子 聡子 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40560660)
辻田 哲平 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40554473)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 無人航空ロボット / 線状柔軟物 / 空中マニピュレーション / 群飛行ロボット |
研究概要 |
本研究の目的は,複数の無人飛行ロボットによる線状柔軟物の空中マニピュレーション技術の獲得である.平成25年度は,検証用の機体開発と動力学シミュレータ開発を精力的に実施した.検証用の機体には,複数の無人飛行ロボットを利用する.様々な仕様の機体がある中で,本研究では,姿勢の安定性が高いクワッドロータ機を採用した.また,任意の移動方向により大きな推力を出力できるように可変ピッチプロペラを搭載することとした.本研究開始時点において,可変ピッチプロペラを搭載した既製品のクワッドロータ機は存在しないため,本研究では検証用機体を開発するという結論に至った.機体開発では制御基板の設計・開発と機体構造物の設計・構築を行った.機体構造物には中密度繊維板(MDF)と呼ばれる安価で加工がしやすいファイバーボードを採用した.構造物の選定に関しては,重量が比較的大きいため,軽量化と強度を考慮した設計を試みているが,今後機体の全体構成がしっかりと出来上がった時点で,更なる軽量化の必要性がある.開発した機体を用いた基礎飛行実験において,ホバリング飛行が可能であることを確認した.今後は機体の制御応答性能等を高め,検証機として実用に耐えうる機体とする.また,制御則やアルゴリズムの検証のための可変ピッチプロペラ搭載型クワッドロータUAVの動力学シミュレータを構築した.ここでは,可変ピッチプロペラのピッチ角と推力の関係や消費電力の関係を実機より計測し,モデリングした.それらの結果をもとに,高効率な飛行戦略の検証ができる動力学シミュレータの構築をした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度は検証のための実飛行ロボット機と動力学シミュレータを開発した.ここでは,姿勢の安定性を考慮し,クワッドロータ機を採用した.また,任意の移動方向により大きな推力を出力できるように可変ピッチプロペラを搭載する機体開発を行った.本研究開始時点において,可変ピッチプロペラを搭載した既製品のクワッドロータ機は存在しない.したがって,機体開発は制御基板の設計・開発と機体構造物の設計・構築を行った.基礎飛行実験において,ホバリング飛行が可能であることを確認した.また,制御則や可変ピッチプロペラ機の性能の検証のための動力学シミュレータを構築した.ここでは,可変ピッチプロペラのピッチ角と推力の関係や消費電力の関係を実機より計測し,それらのモデルも動力学シミュレータ内に実装した.また,サーボ応答の遅れ等もモデリングし,限りなく現実のシステムに近いモデリングを行った.開発したシミュレータをもとに,高効率な飛行戦略の検証や目的とする空中マニピュレーションの検証シミュレーションが実施できる. 機体のパラメータチューニングや実験環境の整備等にやや遅れがみられるが,概ね良好に研究は遂行している.
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今後の研究の推進方策 |
本報告書提出現在において,可変ピッチプロペラ搭載クワッドロータUAVの開発は概ね良好ではあるが,性能の向上を目指した種々のパラメータのチューニングや機体改良,実験環境の整備が必要である.それらの遅れに関しては,平成26年度初めに取り組み,柔軟物マニピュレーションの実証実験を目指す.柔軟物マニピュレーションに際し,線状柔軟物を理想的な懸垂線でモデリングすることにより,柔軟物の形状と機体に加わる荷重等を計算し,目標とする飛行を実現する最適な飛行経路戦略を構築する.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は機体の開発にやや遅れが生じたため,必要台数の機体開発に至っていない.また,実験環境の整備がまだ完了していないため,経費使用に遅れが生じた. 次年度は,複数の機体開発と実験の際の計測機器等に係る経費,また,成果発表のための各種学会への参加費および論文投稿費を計上する予定である.
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