本研究では、多様な環境で活動するロボットのための触覚センサにおいて感度の高さと強度の高さを両立するために、硬さ可変パッケージの研究を行う。硬さを変える方法として、ダイラタンシー流体に撃力が加わった際に固体化する現象を利用する。撃力に対してパッケージが硬くなってひずみセンサ部分が壊れない機能や、振動を与えてパッケージ材の硬さを制御することができる機能を触覚センサにもたせる研究を行う。センサ自体の材料や構造ではなくパッケージに注目した研究であるため、様々な種類の触覚センサへと応用できることが特徴である。 平成28年度は、前年度に引き続きダイラタンシー流体の材料の探索を行ったが、有効な材料を見出だすことはできなかった。一方で、歪ゲージをシリコーンゴムに埋めた構造の触覚センサの周囲をダイラタンシー流体で覆ったものについて、撃力によるパッケージの硬さの変化について実験を行った。パッケージの硬さ変化の指標としてとしてヤング率に相当する値を計算し、撃力によって1桁以上の上昇がみられることを示した。
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