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2013 年度 実施状況報告書

バイオアシストMEMSプロセスの新開発によるマイクロ熱電変換デバイスの創成

研究課題

研究課題/領域番号 25630093
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関神戸大学

研究代表者

磯野 吉正  神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20257819)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードMEMS / 金ナノ粒子 / ナノ細線 / 熱電変換
研究概要

当申請の研究目的は、タンパク超分子の選択的自己組織化能力を積極的に利用して、一次元シリコンナノ細線(SiNW)の気相成長技術を確立させるとともに、モバイル発電用超小型MEMS熱電変換デバイスを試作開発することである。研究の第一年度では、(1)Auナノ粒子を内包したフェリチンタンパク分子の選択的吸着技術の確立、および (2) CVD装置の改良とシリコンナノ細線成長技術の開発、である。
(1)Au粒子を内包していないアポフェリチンに対してバイオミネラリゼーションを施し、Au内包フェリチン分子を作製することに成功した。ここでは、直径10~20nmのAuナノ粒子とフェリチン分子のサブユニットを用いて、Auナノ粒子を取り囲むようにサブユニットが集積していく新たなバイオ-金属結合技術を用いた。このAu内包フェリチン分子はSiO2基板上への吸着量は多く、Si基板上への吸着が少なかった。このことから、選択的吸着は実現できたと言える。しかしながら、その逆のSi基板上に多く吸着し、SiO2基板上への吸着が少ない分子の作製は未だ成功していない。このことから、Si基板上でAu内包フェリチン分子を触媒としたSiNWの大量成長は困難であることが示唆された。今後は、Auナノ粒子そのものにアミノ基終端の11-アミノ-1-ウンデカンチオールを修飾し、粒子自体を負電荷にし、Si基板上への選択的吸着を図る予定である。
(2)当初計画の従って、Auナノ粒子を含有したフェリチンタンパク分子を触媒としたSiNW形成も試みた。上記の通り、Si基板上への吸着は少なかったものの、一部吸着したAu内包フェリチン分子を用いてナノ細線(SiNW)成長実験を行った。ここでは、吸着後、外殻に存在するタンパクサブユニットをUVオゾン装置で除去することでAu粒子を露出させ、CVD装置へ搬入した。これにより、温度500℃、SiH4ガス流量100sccmの条件ものと、SiNWを結晶成長させることに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画では、Auナノ粒子を内包させたフェリチンタンパク分子を用いることで、SiO2基板上よりもSi基板上に多くの同タンパク分子を吸着させる予定であった。しかしながら、バイオミネラリゼーションによって準備されたAu内包フェリチン分子は、Si基板上への吸着量が少ないことが実験的に明らかとなった。このため、当初計画の、バイオアシストによるAuナノ粒子の効率的な選択的吸着は困難であると考えられる。一方、Si基板上に一部吸着したAu内包フェリチンタンパク分子を触媒とした、SiNWの成長実験には成功している。

今後の研究の推進方策

バイオアシストによるAuナノ粒子の効率的な選択的吸着が困難であったことから、今後はAuナノ粒子表面に化学的修飾を施し、表面電荷を制御する方法を採用する。具体的には、Auナノ粒子そのものにアミノ基終端の11-アミノ-1-ウンデカンチオールを修飾し、粒子自体を負電荷にし、Si基板上への選択的吸着を図る予定である。なお、熱酸化によって形成されたSiO2表面は、負の電荷を有していることから、11-アミノ-1-ウンデカンチオールが修飾されたAuナノ粒子(負電荷)は、吸着し難くなると予想している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Fabrication of Gold Nanoparticle-Embedded Nanochannels for Surface-Enhanced Raman Spectroscopy2014

    • 著者名/発表者名
      K. Suekuni, T. Takeshita, K. Sugano, Y. Isono
    • 学会等名
      The 27th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems
    • 発表場所
      San Francisco, U.S.A.
    • 年月日
      20140126-20140130

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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