研究課題/領域番号 |
25630099
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
川村 貞夫 立命館大学, 理工学部, 教授 (20186141)
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研究分担者 |
西岡 靖貴 滋賀県立大学, 工学部, 助教 (70609734)
下ノ村 和弘 立命館大学, 理工学部, 准教授 (80397679)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ロボティクス / ロボットアーム / 軽量柔軟 / 空気圧駆動 / プラスティック |
研究実績の概要 |
ロボットは産業分野だけでなく,人と機械的に接触する生活支援分野への応用が期待される.このような場合,高い対人安全性が要求される.本研究では,ロボット運動部分の極軽量化が,安全性の本質的保証に重要と考える.そこで,ゴム材料ではなく,より軽量なプラスティック材料による可膨張構造を,本体とアクチュエータに利用する.このようなロボットでは,柔軟性が高いため剛体構造のロボットに比して,位置決めや振動制御が困難である.そこで,本研究ではプラスティック材料の積層型受動要素により,位置決め精度や振動抑制を改善し,カメラ情報のセンサフィードバックにより運動性能を向上させる.全体として,材料・構造・要素・制御を統合して,高速・高精度な極軽量多自由度ロボット実現法を明らかにすることが目的である.本研究で得られた成果は以下である. 1. 積層要素に空気圧の加圧によって,要素の法線方向の力を制御する.この方法で,関節角速度をフィードバック信号に利用することによって,擬似的粘性を生み出すことに成功した.これはFPGAを利用した高速ビジョンによって達成された. 2. リンクの曲げが発生する場合にも有効なビジュアルフィードバック制御法を開発し,3自由度の本ロボットアームに適用した.その結果,1mm以下での位置決めが達成され,プラスティック材料の空気圧駆動システムとしては,従来達成できない精度を実現した. 3. 根本の旋回自由度を含む4自由度のロボットアームを製作した.ジョイスティック操作により,食事支援作業を行って,十分な性能が得られることが確認できた. 4. 関節の回転トルクを効率良くリンクに伝達するための関節部を設計開発した.この関節部に上記1.の積層要素と駆動用エアバッグも内包されている.全体の構想は複雑となるが,3Dプリンタにより製作可能であることを実証した.
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