研究課題/領域番号 |
25630111
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
松本 聡 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10577282)
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研究分担者 |
安部 征哉 公益財団法人国際東アジア研究センター, その他部局等, 研究員 (40423488)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 集積化電源 / DC-DCコンバータ / POL / パワーSoC |
研究概要 |
パワーSupply on Chipは電源の究極の小型化であり、電源の小型化に対して電源の体積の大部分を占めるインダクタやキャパシタなどの受動部品の小型化が最も有効な手段である。受動部品の小型化に対して、スイッチング周波数高周波化が進められている。パワーSOCでは数十MHzの高周波スイッチングが必要となるため、従来の電源で主流を占めていたPWM制御が困難となるため新たな制御技術が必要となると同時に、高周波でスイッチング素子をドライブするためのゲートドライブ技術が重要となる。 本年度は制御技術の研究に注力して研究を進めた。具体的には、パワーSOCでは電流容量の小さいPOLコンバータを並列接続するという特徴を活かし、負荷に応じて動作するコンバータの動作台数を変化させることにより一定電圧を出力する制御方法を考案した。台数制御方法として出力電流を検出する方法を考案した。動作しているPOLの台数を切り替える際、発振する可能性があるためヒステリシスを設けた。新規に考案した制御方法に関して台数切り替えにより出力電圧を一定に保てること、広い負荷電流範囲において高効率を維持できることを明らかにした。部品点数の削減、高効率化、制御の汎用性を狙いとして出力電圧を検出して一定電圧に保つ制御に関する検討を行い、出力電圧検出により出力電圧の制御が可能であることを明らかにした。 来年度のボード試作に向けて部品の選定に着手し、スイッチング素子として高周波特性に優れたGaNパワーデバイスを用いることとし、回路設計を開始した。 2014年5月に広島で開催されるInternational Power Electronics Conference(IPEC2014)において、オーガナイザーとしてパワーSupply on Chip(SoC)のオーガナイズドセッションを企画した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
台数切り替えにいる制御法の確立、電圧検出による制御法の提案等原理確認等を済ませると同時に、来年度のボード試作に向け回路設計に着手しており順調に推移している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究結果をふまえ、昨年度提案した台数切り替えによる電圧制御技術を基盤技術とし、昨年度提案した電圧制御技術に関して、より汎用性の高く、かつ簡単な制御技術に関して研究を進める。また、昇降圧が自由に行、多出力化に有利なHブリッジに関して研究を進める。また、ゲートドライブ技術に関しては、GaNパワーデバイスをスイッチ素子としてのターゲットとし、30MHz級でスイッチング可能なゲートドライブ回路を提案する。さらに提案した制御方法とゲートドライブ技術をテストボードを試作し、実証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度のボード試作、その評価関連の支出が当初の予想を上回るため、それらの費用に充当するため残額が生じた。 次年度のボード試作とその評価関連に支出し、使用計画通りに使用する計画である。
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