多孔性複合圧電膜を用いた振動による発電デバイスの検討を行った。多孔性圧電材料としては、圧電性が比較的高く、材料が安価かつ作製が容易な、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)/PZT複合圧電膜を用い、基板としては作製温度に耐性があり安価なステンレス基板を用いた。圧電膜の膜厚は高いほど圧電定数d33は高値を示した。基板厚は振動の強度が高い場合には相関性を示さないが、脈拍のような微弱な振動の場合には基板厚が低い方が高い振動を示した。人の脈拍による振動により、最高で約150mVの瞬間起電力が得られたことから、振動による環境発電の候補として有望であるといえる。
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