気相堆積法によりポリイミド薄膜を次世代集積回路の基幹配線として期待されるSi貫通配線(TSV: Through-Silicon Via)のライナー絶縁膜として応用できる可能性を示すことができた。原子層気相堆積(ALD)のような緻密で高制御な超薄膜形成には至らなかったが、100nm以下の膜厚を10nm単位で制御でき、ALDに比べて高い成膜速度(およそ100-200nm/min)で高純度なKapton-H型のポリイミド薄膜を形成できた。アスペクト10、直径5μm以下のSi深穴に80%を超える高い被覆率で堆積でき、既存のプラズマCVDによるSiO2薄膜よりも低い応力でTSVを形成することができた。
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