研究課題
本研究は,世界初となるエキシトニックトランジスタの室温動作を目指し,独自に考案した「ピエゾ電界誘起構造」と新規半導体材料「ZION」を用いて,エキシトン流の高効率生成およびその制御を実現することを目的としている.H26年度の成果は以下の2点に集約される.1. 単結晶ZION膜の高品質成長:H25年度までに,独自に開発した不純物添加結晶化 (Impurity mediated crystallization: IMC) 法により,低コスト格子不整合基板上への単結晶ZION膜の作製に成功している.H26年度は,上記IMC法における結晶成長メカニズムの解明を目的とし,バッファー層,ならびにバッファー層情に形成されたZnO膜の表面モフォロジーの定量評価を行い,格子不整合系のヘテロエピタキシーにおいて成長初期の表面形態が及ぼす影響を調べた.その結果,高格子不整合系のヘテロエピタキシーにおいては,高密度な核形成を行うことで,格子不整合から生じる歪みが結晶粒界において効果的に緩和され,その後の2次元的な結晶成長が促進されていることが分かった.2. 光重畳によるエキシトン流のスイッチング:従来のエキシトントランジスタでは,光励起したエキシトン流にゲート電圧を印加し,そのポテンシャルエネルギーを制御することでスイッチングを行っている.しかし,本研究により,ピエゾ電界誘起型の量子井戸では,エキシトンを光によってもスイッチングできることが示唆された.従って,本提案のトランジスタでは,主信号とは異なる波長の光をゲートに入射することでエキシトン流がスイッチングできるため,ゲート電圧の印加が不要になる.またその信号を電流として取り出すことができるため,光-エキシトン-電子集積回路の実現も可能となると期待される.
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