LSI内の光伝送に対応した信号処理システムの構築が急務となっている.光-電気信号変換が不要なエキシトントランジスタは,原理的に超高速化・超低消費電力化が可能であるが,その動作温度は150K以下に限定されている.本研究では,エキシトントランジスタの室温動作を目指し,独自に考案した「ピエゾ電界誘起構造」と新規半導体材料「ZION」を用いて,エキシトン流の高効率生成およびその制御を試みた.その結果,高品質ZION薄膜からなるピエゾ電界誘起量子井戸構造の形成に成功し,エキシトン流が光によってもスイッチング可能であることを見出した.本成果は,光-エキシトン-電子集積回路の実現につながるものと期待される.
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