本研究の目的はCasimir効果を利用した高感度NEMS(Nano Electro Mechanical Systems)物理センサの原理検証です。 平成26年度にはCasimir引力/斥力を利用したナノメカニカル素子実現の準備として,金の微細電極を用いたマイクロメートル寸法の高感度メカニカルセンサの試作・評価を行いました。具体的には従来センサよりも小型・高感度な加速度センサを金の高密度特性を用いて設計・試作し,その基本特性を評価しました。本センサでは,電極間ギャップを現状のマイクロメートル寸法からナノメートル寸法に狭めることで,さらなる感度向上が可能です。そのため今後は,Casimir効果を考慮したナノスケールの設計手法を取り入れることで,センサの超高感度化に取り組みます. 本研究で開発したマイクロ/ナノ微細電極構造は,NEMS静電アクチュエータ/静電容量型センサの高性能化や光ミキサによるテラヘルツ波出力の増強など,様々な応用が期待できます。今後の研究では,金以外の材料でも超微細電極を作製し,新規ナノエレクトロニクスデバイスの探究も目指します。 平成26年度の本研究成果として,(1)査読付き原著論文4件の掲載が確定,(2)国際学会の招待講演2件の発表が確定,(3)査読付き国際学会を5件発表済み,(4)査読なし国際ワークショップを1件発表済み,(5)査読あり国内シンポジウムを4件発表済み,(6)査読なし国内学会を6件発表済みである.
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