本研究は断熱モード量子磁束パラメトロン(QFP) 回路を用いて、演算エネルギーの下限値(Landauerリミット)の検証を目指した。超伝導共振法に基づく微小エネルギー測定法を用いて断熱モードQFP回路の消費エネルギーを測定し、その下限値の解明を試みた。また、論理演算において情報エントロピー変化を伴わない可逆QFP論理ゲートを新規提案し、Landauer リミットを破る論理演算の可能性を示すことを目標とした。本研究により、断熱モードQFP回路のビットエネルギーが実測により10zJまで低減できること、論理的・物理的に可逆な論理回路が断熱モードQFP回路を用いて構成できることを明らかにした。
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