研究課題/領域番号 |
25630142
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
出原 敏孝 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 特任教授 (80020197)
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研究分担者 |
光藤 誠太郎 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 教授 (60261517)
小川 勇 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 教授 (90214014)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | NMR / ESR / DNP-NMR / ジャイロトロン / 出力安定化 / 感度向上 |
研究概要 |
本研究の本来の目標である「ジャイロトロンの周波数変調により広い周波数領域にわたる電子スピンの共鳴(ESR)を励起して、大強度の電子スピンの磁気分極を核スピンに移行することにより、NMR 分光の感度を10,000 倍増強する実験的研究を行う」ため、これに最適化した高出力テラヘルツ光源 - ジャイロトロンの高機能化を行った。即ち、(1)本来周波数固定の光源であるジャイロトロンに後進波相互作用を取り入れる画期的試みにより、変調幅200MHz に 亘って周波数変調を達成し、また、(2) 感度向上にも関わらず、長時間に亘る安定な計測実現に対応するために、ジャイロトロンの長時間にわたる安定化をPID 制御によって達成した。10時間を超える長時間動作に対して出力変動を0.4パーセント以下に抑制することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画の通り、NMR の感度向上のための画期的性能を備えた周波数可変・周波数変調機能を有する460 GHz帯ジャイロトロンの設計・製作を完了した。また、長時間に亘るジャイロトロン出力の安定化に成功し、本研究の最終目標であるNMR分光の感度を向上するための目途が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に開発を完了した460 GHz ジャイロトロンをNMR 装置に設置して、DNP 効果による感度向上の実験を行なう。周波数変調の機能により、感度をさらに10倍増強する実験的検証を行ない、NMRの周波数が700MHz に上昇した折の感度の減少に対処する方策を検討する。
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