MIMO (Multiple Input Multiple Output)システムは伝搬環境に由来する伝搬損失やキーホール効果によってチャネル容量が低下する.本研究では,可変トランスミットアレーの利用によって伝搬環境を操作し無線通信システムの伝送特性を改善する方法について検討した.可変素子を装荷した無給電の中継アレーアンテナを伝搬路に配置し,チャネル容量が改善するように無給電アレーアンテナを制御する.MIMOチャネルの測定結果より,チャネル容量の10%値を,2.52 bits/s/Hz改善することを示し,屋内環境の伝搬特性改善に可変トランスミットアレーが有効であることが明らかになった.
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