研究実績の概要 |
エラスティック光ネットワーク技術を世界規模の超広域ネットワークに適用するために、報告者らは仮想化光再生中継器(VER: Virtualized Elastic Regenerator)とそれに基づくトランスルーセント(半透明)エラスティック光ネットワークの新概念を提案している(M. Jinno et al, OFC/NFOEC 2012, PDP5B.6)。本研究においては、トランスルーセント・エラスティック光ネットワークを経済的に実現するために取り組むべき課題として、 (1) 仮想化光再生中継器では多様なレートの複数のスーパーチャネルを同時再生中継する必要があり、多数のサブキャリアを柔軟かつ高精度な光周波数で発生する機構の開拓、(2) ネットワーク設計においては、多様な光パス間で共有する仮想化光再生中継器最適配置問題と、光パスの経路と光スペクトル割り当ての問題を同時に効率よく計算するための設計アルゴリズムの開拓の2点を掲げた。 2年間の基礎的研究に取り組み、以下の成果を得た。 (1) 共通光周波数基準器を用いて、高精度なサブキャリア間隔と柔軟なサブキャリア周波数配置を両立する方式を考案し、波長可変レーザダイオードと集積化Mach-Zehnder干渉計を用いて原理動作を確認した。(2) VER配置と経路計算スペクトル割り当てアルゴリズムの考案を考案し、予備経路を含めたネットワーク収容計算において、有効性を検証した。
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