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2013 年度 実施状況報告書

無線電力伝送のための非回折波生成用アンテナシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 25630164
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関長崎大学

研究代表者

藤本 孝文  長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40264204)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード無線電力伝送 / ミリ波 / 非回折波
研究概要

提案する非回折波生成システムは、1次放射器(ミリ波アンテナ)、円環スリット、レンズおよび各素子のエッジ部で生じる回り込み波(回折波)を抑圧するための電波吸収材から構成される。
平成25年度は、1次放射器および電波吸収材の設計を主として行った。1次放射器の候補として、円形ホーンアンテナと円形パッチマイクロストリップアンテナを検討した。1次放射器では、理想的な平面波を生成することが要求される。シミュレーションの結果、ホーンアンテナが平面波に近い放射電界が生成可能であり、シミュレーション時間も短い結果が得られた。このため、1次放射器として、円形ホーンアンテナを使用することに決定した。
次に各素子のエッジ部での回り込み波(回折波)抑圧のため、電波吸収材の設計を行った。電波吸収材は、将来的に実際に作成することを考慮し、エポキシ変性ウレタンゴムにカーボンブラックを混入した ゴムシートの複素比誘電率および誘電正接を用いて設計した。2cm厚の1層構造電波吸収材シートを円環スリットの周りに配置したシミュレーション結果では、電波吸収材シートがない場合に比べ、円環スリットのエッジ部において約19.3dBの回り込み波の抑圧に成功した。目的とするミリ波非回折ビーム生成には上記の回り込み波をできるだけ小さくする必要がある。多層構造電波吸収材(ゴムシート)を使用することにより、更なる回り込み波の抑圧が可能であると予想できる。現在、多層構造のゴムシートの設計を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本プロジェクトでは、電磁界シミュレータを使用し、数値計算を主として研究を進めている。提案する非回折波生成システムでは、波長に比べ非常に大きい円環スリット導体板を取り扱うため、1回のシミュレーションで約5日間の時間を要する。このため、1年目に多層構造の電波吸収材の設計を終了する予定であったが、実際には、単層構造の電波吸収材の設計までしか完了できなかった。

今後の研究の推進方策

本年度は、現在進めている多層構造電波吸収材の設計を最初に行い、その後、誘電体レンズを含めたシステム全体の設計を行う。申請当初に予定していたように、電磁界シミュレータおよびシミュレーション用パーソナルコンピュータをさらに1組用意し、2台のシミュレーション装置により、システム設計を加速させる予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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