• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

光周波数標準用無歪光キャビティーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 25630167
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東北大学

研究代表者

櫛引 淳一  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (50108578)

研究分担者 荒川 元孝  東北大学, 医工学研究科, 助教 (00333865)
大橋 雄二  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50396462)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード光キャビティー / 超低膨張材料 / 超精密超音波計測 / 加工プロセス / 熱処理プロセス
研究概要

次世代光周波数標準超狭線幅レーザーを実現するために、超高安定・超高フィネス光キャビティーの開発が進められている。キャビティースペーサー作製過程には、穴あけ、研削、研磨などの機械加工過程があり、その際に導入され残留した加工歪が緩和することにより、スペーサーの長さが変化し共振周波数が経時変化(クリープ)するという解決すべき重要課題がある。本研究では、材料の加工プロセスと熱処理条件に関する検討を行う。
材料加工プロセスを検討するために、合成石英ガラスブロックを取り上げ、(1)穴あけのみの場合(通常のダイヤモンドドリル、超音波加工)、(2)穴あけ後、加工歪層の研磨による除去を行った場合、(3)穴あけ後、加工歪層の研磨による除去を行い、さらに、エッチング、最終ポリッシュを行った場合の3種類の比較を行った。また、合成石英ガラスの歪点(970℃)を考慮し、800℃と970℃で熱処理を行い、加工歪みの低減の効果を調べた。
加工歪みによる残留応力は、複屈折や屈折率の変化として光学特性に反映される。評価は、光ヘテロダイン干渉法による複屈折の観察、シュリーレン法による脈理の観察、フィゾー干渉法による相対屈折率の測定を行った。
その結果、光ヘテロダイン干渉法による複屈折の観察により、加工歪みを定量的に評価できることがわかった。通常のダイヤモンドドリルよりも超音波加工のほうが、残留応力が小さいこと、研磨工程により残留応力を大幅に低減できることがわかった。また、熱処理により大きな残留応力は低減されるが、新たに歪みが入ること、800℃の熱処理のほうが970℃の熱処理よりも加工歪みが小さいがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画していた実験項目をすべて実行し、上述のような結果が得られた。また、次年度の計画を遂行する準備も済んでいる。

今後の研究の推進方策

今年度の検討に基づき、JSTの先端計測分析技術・機器開発事業で作製した2個の光キャビティー(その一つはクリープ速度:1.3 pm/day)を再加工する。はじめに、オプティカルコンタクトを行ったミラーを取り外す。その後、スペーサー部に対して、最適な加工手順に基づき、研磨、熱処理を行う。加工したスペーサーに対して、1064 nm用のTa2O5/SiO2多層膜ミラーをオプティカルコンタクトし、光キャビティーとする。
作製した光キャビティーのゼロCTE温度およびクリープ評価を波長1064 nmで行う。ゼロCTE温度は、共振周波数の温度依存性の最大周波数に対応する温度より求められる。また、キャビティーの温度をゼロCTE温度に設定し、共振周波数の経時変化を測定することにより、クリープを評価する。
TiO2-SiO2ガラスに対する最適な加工手順をまとめるとともに、他の素材(超低膨張結晶化ガラス、セラミックス)に対して、どのような手順で行うべきか総括する。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は、当初計画していた測定・解析用パソコン等の購入が3月でその支払いが翌月であるため、次年度分の支払いに繰り越すことになったため生じたものである。
次年度使用額は、測定・解析用パソコン等の購入に必要な経費として平成26年度請求額とあわせて使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 櫛引研究室

    • URL

      http://www.ecei.tohoku.ac.jp/kushi/

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi