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2015 年度 実績報告書

ナノスケール高感度電圧電流計測のための導電性プローブ顕微鏡システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 25630168
研究機関筑波大学

研究代表者

村上 勝久  筑波大学, 数理物質系, 助教 (20403123)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード導電性プローブ顕微鏡
研究実績の概要

導電性プローブ顕微鏡を用いたナノスケールでの局所電圧電流計測の高感度化を妨げる要因となっている寄生容量によって誘起される変位電流の抑制を目的として、計測サンプル近傍への静電シールドの設置による変位電流の抑制効果と抑制効果の静電シールド設置位置依存性を調査した。
変位電流の静電シールド設置位置依存性の解析から、導電性プローブ先端から約20 mmまでの部分で寄生容量と変位電流が急激に増加していることが分かった。この実験から感度低下の要因となる変位電流の発生の主な原因が、導電性プローブを保持しているプローブホルダと計測試料間の寄生容量であることを明らかにした。また、プローブホルダ部分に静電シールドを設置し、プローブホルダと計測試料の間に誘起される変位電流を静電シールドへバイパスすることで、変位電流を1/10以下に抑制できることが分かった。これは本研究で使用した導電性プローブ顕微鏡システムの寄生容量を95%削減可能であることを意味している。これらの結果から、静電シールドの設置により導電性プローブ顕微鏡におけるナノスケールでの電圧電流計測の感度を10倍以上高めることが可能であることを実証した。
更に、上記実験により最適化した静電シールド設置条件を用いて、5 nm膜厚のシリコン熱酸化膜に流れるトンネル電流の計測を行ったところ、静電シールドによって変位電流が抑制された結果、電圧では1 V以上、電流では1桁測定できる範囲が広がり、導電性プローブ顕微鏡を用いた高感度電圧電流計測が可能であることを明らかにした。

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公開日: 2017-01-06  

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