本研究では,環境に呼応して這行や遊泳,飛行などの異なるロコモーション様式を自己組織的に発現する,広大な稼働環境領域を有するマルチテレストリアルロボットの具現化を目指した.具体的には,「生物は,いかなるロコモーション様式であっても,周囲環境から足がかり(scaffold)を効果的に獲得して,それらから反力を得て推進している」というシンプルな基本原理に基づき, 1)二次元シート状の身体構造を有するヒラムシをモデル生物とした,這行と遊泳を自律的に実現するシート型ロボットの開発,2)陸ヘビが示す這行と海ヘビが示す遊泳の背後にある制御原理の共通性のシミュレーションによる検証,を行った.
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