離散解析手法である剛体ばねモデル(RBSM)を用いて,柱梁接合部の三次元微細構造解析を行った。鉄筋の節までモデル化し,接合部内の鉄筋を全てモデル化した解析を可能にした。解析要素数は約80万要素で自由度は約500万で主な解析を実施した。解析は既往の実験結果を比較して,同様の荷重変位関係,ひび割れパターンを示し,開発した解析システムが有効に稼働することを確認した。また,この大規模計算を効率的に実施するための,解析モデル作成と解析結果表示のインターフェイスを整えた。 まず,接合部が開く場合と閉じる場合の単調載荷と,交番載荷の解析を行い,接合部内の複雑な応力状態とひび割れパターンを概ね再現し,全体挙動と鉄筋近傍の局所応力やひび割れを検証できることを実験との比較を通して確認した。 更に,接合部の配筋の合理化のために,機械式定着具を用いた場合の解析を行い,実験と比較した。接合部内で機械式定着具を用いると定着具付近の局所応力から発生するひび割れのために破壊が早期に生じて接合部破壊する場合があり,それを防ぐための補強筋の位置が重要となる。配筋位置の影響を実験と同様に設定してその効果を確認するとともに,各補強筋の効果を解析により検証することで,解析からより適切は配筋箇所を絞り込み,提案することを可能とした。
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