研究課題/領域番号 |
25630188
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
橋本 親典 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (10180829)
|
研究分担者 |
石丸 啓輔 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 技術専門職員 (00380121)
渡邉 健 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (50332812)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | AE剤 / 液体窒素 / 凍結融解抵抗性 / 超音波伝播速度 / 相対動弾性係数 / 再生骨材 |
研究実績の概要 |
本年度は,水セメント比を45,55,65%の3種類で,AEコンクリートとNonAEコンクリートを作成し,数時間で行うことができる液体窒素による急速凍結融解試験方法を用いて,JIS法の水中凍結融解試験方法の結果との相関性を検討した.主な試験項目は,圧縮強度試験,水中凍結融解試験(JIS A 1148:2010),急速凍結融解試験である.なお,水中凍結融解試験測定方法は,急速凍結融解試験と比較するために超音波伝播時間の測定を行った.凍結融解試験を評価する相対動弾性係数は,測定した超音波伝播時間を用いて,当該回数伝播速度/初期の伝播速度の比の2乗から算定した.JIS法の水中凍結融解試験結果から,水セメント比の違いに関わらず,NonAEコンクリートは30サイクルで相対動弾性係数が60%以下となり,AEコンクリートとNonAEコンクリートの相対動弾性係数の違いが明確となった.急速凍結融解試験結果では,水セメント比が小さくなるにつれてAEコンクリート,NonAEコンクリートともに相対動弾性係数の低下率は小さくなった。水セメント比の違いによる傾向が確認できた。AコンクリートとNonAEコンクリートを比較すると,AEコンクリートの方が相対動弾性係数の低下率が小さく,AE 剤の混入有無の違いが明確となった.しかし,JIS法の水中凍結融解試験結果とは異なる傾向を示した.これは,JIS 法は供試体内部組織の膨張によって劣化が生じるのに対して,液体窒素を用いた急速凍結融解試験は浸透の早い供試体表層部のみで繰返し劣化し,スケーリングを生じたためと考えられる。本年度の研究によって,本実験の範囲内ではあるが,水セメント比が55%以下のコンクリートであれば,コア採取した供試体を液体窒素による急速凍結融解試験によりAE剤使用の有無を判定することができる可能性があると言える.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
入手が困難なため,震災ガレキコンクリートによる確認試験を実施できていない.
|
今後の研究の推進方策 |
現場のガレキコンクリートは,コア供試体を採取できない場合がある.このような場合を想定し,コンクリート部材に直接液化窒素を吹き付けることによって,AEコンクリートかNomAEコンクリートであるかを判定するために試験装置の試作をした.来年度はこの試験装置によって,実際のコンクリート構造物を対象に液化窒素を用いた急速凍結融解試験方法によるAE剤使用の有無の判定の可能性を検討する.
|