| 研究課題/領域番号 |
25630192
|
|---|
| 研究機関 | 東京大学 |
|---|
研究代表者 |
市村 強 東京大学, 地震研究所, 准教授 (20333833)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
| キーワード | 震源断層シナリオ / 地殻変動 / 有限要素法 |
|---|
| 研究実績の概要 |
巨大地震の被害想定を行う上で，「断層がどのように破壊するのか，また，破壊規模はどの程度になるのか（断層シナリオ）」の適切な想定は重要と考えられる．この想定の実現には，プレート間の固着状態を適切に推定する必要があり（固着域の分布により，どのように断層破壊が進展し，どの程度の規模の地震となるかが推定される），推定の精度向上を目指して多くの研究がなされてきた．観測された地殻変動データと地殻変動解析を組みあわせた逆解析を用いてプレート間の固着状態の推定が現在でも行われている．しかしながら，逆解析に用いる地殻変動解析において，半無限構造のような簡素化されたモデルが用いられている．昨今の観測データの充実及び計算機能力の向上を踏まえると，地殻変動解析手法を改良することでプレート間の固着状態の推定確度を改善できる可能性がある．本研究では，地殻変動解析手法の限界を克服し，「超高分解能日本列島モデル構築手法」と「超高速地殻変動解析手法」を開発し，固着域の状態推定高度化のための手法を開発する．今年度は，日本列島を含む広領域の地殻モデルを構築し，また，昨年度開発されたOpenMp/MPIベースの「超高分解能日本列島有限要素モデル構築手法」を拡張することにより，超大領域超高分解能日本列島有限要素モデルを構築した．また，昨年度開発したOpenMP/MPIハイブリッド並列有限要素法に基づく「超高速地殻変動解析手法」を拡張した解析手法により，構築した有限要素モデルによる試解析を行った．
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね予定通りにモデル構築手法・解析手法の開発はすすんでいる．一方で，検証で用いる日本列島を含む広領域の地殻データの整備に時間がかかったため，少し遅れ気味の部分はあるが，全体では概ね予定通りといえる．
|
| 今後の研究の推進方策 |
構築した「日本列島有限要素モデル」と開発した「超高速地殻変動解析手法」を組み合わせ，東北地方太平洋沖地震の地殻変動のシミュレーションを行い，本手法の有効性を確認する．
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
「超高分解能日本列島有限要素モデル構築手法」と「超高速地殻変動解析手法」の開発の目途がつき，これらを用いた日本列島の地殻変動の試解析を行うには至ったが，これらのデータを処理する部分に関しては，27年度に行うこととした．
|
| 次年度使用額の使用計画 |
予定していた大容量データを処理可能な計算機を購入し，大規模地殻変動解析を行う．
|
