研究課題
平成26年度は,様々な配合条件で作製した模擬分別土を対象とし,燃焼温度ならびに燃焼時間を変えて強熱減量試験を行い,分別土砂中の木くず混入量評価手法を検討するとともに,一軸圧縮試験及びCBR試験をにより木くずが強度特性に及ぼす影響を評価した。その結果,330-350℃,48時間の燃焼で木片サイズによらず概ね木くず量を定量化しうること,大きい上載荷重が作用する条件であれば,木くずの腐植に伴う間隙比の変化は相対的に小さいこと,短期的な強度特性は6~8%前後の木片混入量で大きく低下する可能性があること,等が示された。さらに岩手県における災害廃棄物処理の実績データを解析し,種々の改質材を添加することによる地盤材料特性の変化を明らかにした。期間全体を通じ,分別土砂に含まれる木片が,短期的な地盤材料特性を明らかにするとともに,腐植に伴う間隙構造の変化と諸特性への影響を定量的に示した。具体的には,木片混入量が多くなるほど強度は低下するものの,木片が骨格構造を形成するためある程度の強度が残留すること,水浸させることで木片が軟化し,強度の低下や圧縮量の増加が生じること,等が明らかとなった。また腐植分解により木片が微細化すると,間隙が増加するため強度の低下と圧縮量の増加が起こることが示された。しかし,木片の腐植分解を引き起こす木材腐朽菌の活動のためには,酸素や水分が必要であることから,地下水と接触しないような条件下であれば,長期的にも大きな腐植分解は生じにくいと考えられる。
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