本研究の目的は「都市と企業の規模分布」の規則性(ランク・サイズ則)と「都市と企業の空間的分布」の規則性(都市の階層原理)を同時に説明しうる理論モデルを提示することである.本研究では,まず,多種集団 Population Game の枠組で企業の(取引先/立地点)選択行動と相互作用を表現し,(a)企業間取引ネットワーク形成と(b)企業の集積立地パターン形成,の各々が創発する2つのサブ・モデルの特性を理論的に明らかにした.そして,両者を整合的に統合したシステム・モデルを構築し,系統的な数値実験により,(a)と(b)の同時均衡状態で創発する企業の規模別・空間的分布パターンの特性を明らかにした.
|