研究課題/領域番号 |
25630215
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
森川 高行 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30166392)
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研究分担者 |
山本 俊行 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (80273465)
三輪 富生 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (60422763)
薄井 智貴 名古屋大学, 学内共同利用施設等, 講師 (20549448)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | GPSデータ / 活動・行動データ / 交通行動分析 / 交通調査 |
研究概要 |
パーソントリップ調査といった大規模交通調査は,実施にかかる膨大な費用と回答率の低下により,調査の継続性やデータの精度が脅かされている.一方,エネルギー消費,災害時救助,移動サポートの高度化などの社会的要請から,トリップ単位ではなく,人の活動・移動を一体的に調査しモデル化する必要性は高まっている.この相矛盾する要請に答えられる可能性を期待されているのが高度化するモバイル端末である.本研究の目的は,この高度化するモバイル端末を活用し,活動・交通データの自動生成手法を開発することである. 今年度はGPSデータから交通行動を分析する方法のレビューを行い,国際学会の投稿した.移動手段に関する研究は比較的多く,速度や加速度,地図情報等を用いて推定することで,比較的精度よく推定できることが分かった.また,移動目的についての研究は少ないものの,地理情報やトリップチェーンを考慮することで,推定精度が上がることが既往研究により明らかとなっている. 次に,GPS調査データから移動目的の推定を行った.移動目的の推定にあたり,自宅や勤務地などの情報がない場合を想定して,GPSデータのみから自宅と勤務地を推定する方法を検討した.その結果,3週間程度調査を行えば自宅の位置判別は8割を超えることが分かった.次に,決定木とランダムフォレストの2つの方法を用いて移動目的の推定を行い,精度の比較を行ったところ,ランダムフォレストであれば「その他」を除く行動目的(勤務・通学,自由,業務,帰社,帰宅)を約75%で判別可能であることが分かった.さらに,GPS調査に必要なモニター数と調査期間と移動目的推定精度について分析を行った結果,調査期間は1ヶ月程度が適切であり,7週間を超えても精度向上は見込めないことが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
移動目的や手段とGPSデータを収集した既存の実験データが入手可能であったため,社会実験にかかる時間を短縮できたため,おおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
活動・行動データの予測手法については,本年度は移動手段の推定を行い,論文投稿等積極的に行っていく.なお,SMART版システムについては,現在も改良中とのことで,データ分析については,既存のデータで対応することとした.
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次年度の研究費の使用計画 |
SMART(The Singapore-MIT Alliance for Research and Technology)版のシステムが改良中とのこで,日本語のシステム開発が中止したため使用計画が変更となった.システムを開発し実験を行うこととなっていたが,既存の調査データを使用できるようになったため,研究の進捗に変更は特にない. データ量が多く,処理の過程が多いため,当初よりも多くの研究補助員が必要であると予想される.そのため,人件費に使用する予定である.
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