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2013 年度 実施状況報告書

環境水中のサイクロスポーラ原虫の高感度定量・遺伝子解析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25630223
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関山梨大学

研究代表者

原本 英司  山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (00401141)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード健康関連微生物 / 原虫 / サイクロスポーラ
研究概要

サイクロスポーラ原虫は,直径8~10μmの球形をした寄生虫の一種であり,汚染された水や食品を介してヒトの体内に侵入し,腸管内で増殖して下痢や嘔吐等の症状を引き起こす。サイクロスポーラは,クリプトスポリジウムやジアルジアと並んで疫学的に重要な原虫であるにも関わらず,標準的な検出法が確立されていないため,環境水中での存在実態は未だ明らかにされていない。
平成25年度は,サイクロスポーラを特異的かつ高感度で検出することが可能な定量PCR系の開発を試みた。サイクロスポーラのITS-2領域を特異的に増幅するプライマーセットとSYBR Greenを用いた定量PCR系に対し,増幅領域の塩基配列を含む人工合成プラスミドDNAの希釈列を使用して検出感度を検討した。その結果,1000000~100コピー/反応の範囲内で,プラスミドDNA濃度の対数値とCt値(蛍光強度が閾値を超えるPCRサイクル数)との間に高い直線性(相関係数:-0.999)が得られ,融解温度解析では特異的な産物の生成が確認された。このことから,特異的かつ高精度でのサイクロスポーラの定量な手法の開発に成功したと判断した。また,定量性に低下が見られたものの,定性的には10コピー/反応の低濃度のプラスミドDNAも検出できる場合があった。
なお,本研究の実施に際し,Singapore-MIT Alliance for Research and Technologyの北島正章氏に研究協力者として協力を受けた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、サイクロスポーラに特異的かつ高感度な定量PCR系の構築に成功したことから、研究は順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

平成26年度は,開発した定量PCR系を適用することにより,下水をはじめとした実際の環境水中におけるサイクロスポーラの存在実態の解明を試みる予定である。

次年度の研究費の使用計画

サイクロスポーラに特異的な定量PCR系の設計に困難が予想されていたため,当初計画では複数の系を候補として比較検討する予定にしていたが,最初に試した系が高い特異性と感度を示したため,複数の比較を行う必要がなくなった。また,高価な蛍光プローブの代わりにSYBR Greenを蛍光色素として使用する系を開発したため,試薬代を削減できた。これらの理由により,次年度使用額が生じた。
次年度使用額を活用し,サイクロスポーラのみならず,水環境中における原虫の存在実態を明らかにするため,クリプトスポリジウムとジアルジアを検出するために使用する計画である。

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公開日: 2015-05-28  

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