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2014 年度 実績報告書

環境水中のサイクロスポーラ原虫の高感度定量・遺伝子解析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25630223
研究機関山梨大学

研究代表者

原本 英司  山梨大学, 総合研究部, 准教授 (00401141)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード健康関連微生物 / サイクロスポーラ
研究実績の概要

サイクロスポーラ原虫は,直径8~10μmの球形をした寄生虫の一種であり,汚染された水や食品を介してヒトの体内に侵入し,腸管内で増殖して下痢や嘔吐等の症状を引き起こす。サイクロスポーラは,クリプトスポリジウムやジアルジアと並んで疫学的に重要な原虫であるにも関わらず,標準的な検出法が確立されていないため,環境水中での存在実態は未だ明らかにされていない。
本研究では,まず、サイクロスポーラを特異的かつ高感度で検出することが可能な定量PCR系の開発を試みた。サイクロスポーラのITS-2領域を特異的に増幅するプライマーセットとSYBR Greenを用いた定量PCR系に対し,増幅領域の塩基配列を含む人工合成プラスミドDNAの希釈列を使用して検出感度を検討した。その結果,1000000~100コピー/反応の範囲内でプラスミドDNAとCt値との間に高い直線性(相関係数:-0.999)が得られ,融解温度解析では特異的な産物の生成が確認された。また,定量性は低下したものの,定性的には10コピー/反応の低濃度のプラスミドDNAも検出可能な場合もあった。
次に,開発した定量PCR系を用いることにより,米国アリゾナ州の2ヶ所の下水処理場で採取した試料からのサイクロスポーラ遺伝子の検出を試みた。サイクロスポーラ遺伝子は,下水流入水24試料のうち6試料(25%)から検出され,最大濃度は12000コピー/Lであった。また,下水処理水24試料のうち3試料(13%)からもサイクロスポーラ遺伝子が検出された。
本研究により,水環境中のサイクロスポーラ遺伝子を定量的に検出することが可能となり,米国の下水中のサイクロスポーラの存在実態を世界ではじめて明らかにすることができた。なお,本研究の実施にあたり,Singapore-MIT Alliance for Research and Technologyの北島正章氏に研究協力者として協力を受けた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Occurrence of Cryptosporidium, Giardia, and Cyclospora in influent and effluent water at wastewater treatment plants in Arizona2014

    • 著者名/発表者名
      Masaaki Kitajima, Eiji Haramoto, Brandon C. Iker, Charles P. Gerba
    • 雑誌名

      Science of the Total Environment

      巻: 484 ページ: 129-136

    • DOI

      10.1016/j.scitotenv.2014.03.036

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-06-01  

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