本研究では,サイクロスポーラ原虫の遺伝子を特異的かつ高感度で検出することが可能な定量PCR系を開発した。サイクロスポーラのITS-2遺伝子領域を特異的に増幅するプライマーとSYBR Green Iを用いた定量PCR系により,1000000~100コピー/反応のサイクロスポーラの人工合成プラスミドDNAを高い精度で定量することができた。さらに,開発した定量PCR系を用いることにより,米国アリゾナ州の2ヶ所の下水処理場で採取した流入水の25%(6/24)と放流水の13%(3/24)から最大12000コピー/Lの濃度でサイクロスポーラ遺伝子を検出することに成功した。
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