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2013 年度 実施状況報告書

腐食連鎖系の人工構築による新しいメタン発酵法の創成

研究課題

研究課題/領域番号 25630224
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関静岡大学

研究代表者

宮原 高志  静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70239432)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードメタン発酵 / エネルギー回収 / 嫌気性処理
研究概要

メタン発酵法は、嫌気性の細菌および古細菌によって担われており、加水分解反応、酸生成反応、共生酢酸生成反応、メタン生成反応といった多段階反応を経て、有機物をメタンへ転換する方法である。実規模のメタン発酵施設は世界中で稼動しており、その歴史は100 年以上に亘るが、依然として中間生成物であるプロピオン酸に代表される揮発性脂肪酸の蓄積による処理性能低下が指摘され続けておりその解決策は見出されておらず、嫌気性細菌のみに依存した従来法の性能向上は限界に達している。一方バイオエタノールの分野ではデンプンやセルロースの分解で得られるグルコース等が原料とされている。嫌気性細菌と比較して酵母の代謝産物はエタノールであり反応速度が高い利点がある。メタン菌は酢酸、水素、ぎ酸、メタノールといった極めて限定された基質のみ利用できるとされていたが、近年エタノールを直接利用できる新種が報告されている。今年度はこれまで共培養の知見の乏しかった酵母とメタン菌の共培養に必要な操作因子について検討を行った。周辺技術である加水分解段階を対象から除外し中核となる技術に焦点を絞り研究を実施するため基質にグルコースを用いた。酵母は一般に使われている種をカルチャーコレクションから入手して用いた。メタン菌は純粋培養の2種類を候補として検討した。培養温度は25,30,35度として緩衝剤を変化させ検討を行った。還元剤を使用せずとも酵母による分解は順調に進むものの温度条件にかかわらずメタン生成との共培養が進まない状況であった。酵母による分解速度とメタン生成速度の差異によるものと推定しており今後二相に分離することも視野に検討を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

酵母の培養は概ね当初の想定の範囲内であったがカルチャーコレクションから入手したメタン菌との共培養に想定以上のアンバランスがあり、特に増殖速度の差へ単相で対応することに工夫が必要な状況である。また、最低限の嫌気環境は酵母によって速やかに達成されるため還元剤のない培地を使用することの可能性は示すことができた。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、酵母とメタン菌の混合培養系の確立を行う。完全混合での共培養についてその検討を引き行うとともに、メタン菌の濃度を高めることで酵母との増殖速度のアンバランスを解決することに重点をおき検討する。また酵母とメタン菌を二相に分離して培養する方法も同時に検討を行う。さらに確立した共培養系の処理性能を従来のメタン発酵系と比較することで、腐食連鎖系を人工構築した新しいメタン発酵法の評価・確立を行う。

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公開日: 2015-05-28  

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