従来の自由度縮約モデルには、多自由度系を1質点に縮約する方法や、モーダル解析の概念に基づく低次の少数モードの重ね合せなどがある。従来の方法では変位の予測精度は保証されるものの、加速度では高次モードの影響が大きいため、その高精度予測モデルは存在しない。 本研究では、構造縮約に加えて入力縮約の概念を新たに導入し、それらの両機能を兼備した変位と加速度の高精度予測縮約モデルを提案した。2011.3.11の東北地方太平洋沖地震における高層建物内での家具・機器類の挙動および居住者の安心感醸成のための加速度評価の必要性が急激に高まっており、本縮約モデルの開発により大幅な応答評価労力の軽減が可能となる。
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