室内での温熱快適性を予測する理論やモデルが提案されてきているが、着衣と皮膚との間に形成される空気層(着衣内空気層)での換気が十分に考慮されてこなかった。本研究では、測定の困難さを、着衣内空気層の実形状を考慮した数値流体力学(詳細モデル)による数値実験により克服し、着衣内空気層での換気性状を明らかにした。次に、これを換気力学モデル(簡易モデル)で再現する可能性を探り、それに必要な係数値を求めた。最終的に、簡易モデルにより換気を考慮した「着衣-人体熱水分収支モデル」により、室内の温湿度・風速等の条件から体温を求めるプログラムを作成し、着衣内空気層での換気が人体に及ぼす影響の量的な評価を行った。
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