研究課題/領域番号 |
25630249
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
菊地 成朋 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (60195203)
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研究分担者 |
天満 類子 広島工業大学, 環境学部, 助教 (10648512)
牛島 朗 山口大学, 理工学研究科, 助教 (40625943)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ソーシャルメディア / 中山間地域 / 災害復興 / 地域再生 / Facebook |
研究実績の概要 |
本研究は,平成24年7月の九州北部豪雨で甚大な被害を受けた福岡県うきは市の中山間地域を対象に,ソーシャルメディアを活用して,被災地の実情を発信するとともに,地域外の資源を被災地に導入し,コミュニティ・ベースの復興活動につなげることを試みるものである。 災害復興のためのメディアとしてFacebookページ「うきは復興の種」を平成24年10月に開設し,運用を行ってきた。初期には,被害状況の取材報告,市の主催するボランティア活動の報告,復旧に関わる制度や施策の紹介などを掲載したが,徐々に年中行事や農作業など,この地域の日常の営み等を取材して記事にし,発信することを加えた。 本年度はさらに,水害で耕作を休止していた棚田を借り受け,地域外から参加者を募って復旧から稲作までを行う「棚田まなび隊」の活動を企画し,その募集と活動報告を発信していった。棚田まなび隊には31名が隊員として登録し,15回の活動が行われた。Facebookページは対外的な発信とともに,隊員間の情報共有の媒体にもなった。また,地域資源の価値付けを目的とする「浮羽まるごと博物館」協議会を自治体と住民との共同で設立し,それをFacebookページ上で発信した。このページは,活動の記録とともに,講演会の告知等にも効果を発揮した。 これまでに作成した記事は,フィードが130,ノートが64を数える。ページへの登録者数は約2,100に達し,一定のコミュニティ資産が形成された。さらに,棚田まなび隊や浮羽まるごと博物館の取り組みにおいて情報発信の媒体となるとともに,寄せられるコメント等によって読者の意見をリアルタイムで知ることができ,ソーシャルメディアの社会的活用の有効性を確認できた。なお,Facebookページ「うきは復興の種」は今後も運用を続け,新たな活用を試みていく予定である。
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