研究課題/領域番号 |
25630254
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
日詰 博文 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), その他(招聘研究員) (40580296)
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研究分担者 |
山田 俊亮 安田女子大学, 家政学部, 助教 (80580076)
永野 聡 福井大学, 産学官連携本部, 研究機関研究員 (80609149)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 復興過程 / 津波 / 地域貢献 / 朝市 / 災害危険区域 |
研究実績の概要 |
本年は、これまでの研究を全体構成の構築に努め、補足的な文献調査を追加で行った。以下に整理をおこなった研究目的と結果を記載する。 目的:本研究は、朝市を構成する施設と組合に関する再建過程の記録および早期朝市復興に至った経緯をもとに、災害危険区域内の現地再建による復興過程にある商業活動がもたらす場(空間)の地域貢献を明らかすることを目的とする。研究対象の朝市が災害危険区域内の再建施設であり、各々の施設再建が災害危険区域復興を特徴づける存在となり得るため、災害危険区域内の再建施設事例を研究することは、災害危険区域復興の計画立案において有用である。 結果:①段階的な再建過程:マスタープランを描き十分な資金により工期を確保し、時間をかけ一括で建設せず、再建の過程で、段階的に得た資金を原資とし、大小関わらず段階的に建設を進め、その側で朝市を開催しながら年々朝市内事業数を増加させるなど、徐々に活気を創出していった。結果的に、再建過程を来場者へ「見える化」する事に繋がり、来場者が来るたびに建設・復興が進んでいる朝市を体験できる場「参加型復興の場」を生み出し地域貢献に寄与している。②復興需要の実現:朝市は、組合の自助努力により、災害危険区域復興を推進する重要な組織となった。市街地が存在しない特異な状況の中で、多くの来場者、売上と「憩いの場や交流の場」を創出してきた。その事は、企業立地希望者にとって、集客、売り場、就業環境の確保に寄与し同地区での再建や新規立地の足掛かりを与える重要な役割を果たしている。③他組織との連携の重層化:組合内の小規模な集まりに留まることなく多様な組織と連携を段階的に創出した。それにより、有用な情報の確保、組合のみでは対応しきれない事案に対するセフティーネットとして連携を生み出した。それらの行動により、より広く朝市復興が伝播され、閖上の地区復興の先導となる礎となっている。
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