研究課題/領域番号 |
25630264
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福永 俊晴 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (60142072)
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研究分担者 |
小野寺 陽平 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (20531031)
森 一広 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (40362412)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ナノ分散 / 電池特性 / 中性子散乱 / イオン伝導 / 原子構造 / X線回折 / 非弾性散乱 / PDF解析 |
研究概要 |
本研究は、リチウム二次電池の負極として実用化されている炭素よりも高いエネルギー密度を有するSiをグラファイト中にメカニカルミリング(MM)法でナノ分散させ、新規負極材料を創製することを目的とする。その方法は、まずグラファイト中にSiOをMM法でナノ分散させ、その後、加熱処理を行い、グラファイト中に生成した非架橋炭素でSiOの酸素を還元し、SiO表面にSiを析出させる。さらに、充電速度すなわちリチウムイオンの移動を高めるためにCO2の超臨界を用いてグラファイトのナノポーラス状態を形成させる。現在、メカニカルミリングでSiOをナノ分散させる実験を推し進めている。そのナノ分散度を評価しているところである。さらに全固体電池を形成させ、負極の状態(ナノ分散度)によってどの様に特性が変わるかの実験システムの構築を行っている。同時に、Liイオン伝導経路の視覚化の解析法を開発しており、現在BVS法を用いて、原子構造が歪んだ状態や、ナノ結晶状態、そしてガラス状態でもイオン伝導経路の可視化に成功している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
メカニカルミリング法によるグラファイト中へのSiOの分散させる実験が順調でない。すなわち、あるレベルのナノ分散は生じるのであるが、本研究で目的とする原子レベル、分子レベルの分散が不十分である。現在、条件を変えつつ、原子レベル、分子レベルのナノ分散に近づけるべく、工夫を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、材料創製とともに、全固体電池を組んで電池特性を測定する準備を進めている。メカニカルミリングによるナノ分散が特性に対してどのくらいの効果があるかを、すなわち、あるレベルのナノ分散で効果があるのか、それとも原子、分子レベルのナノ分散でなければならないのかを今後確かめながら、研究を推し進めて行く予定である。さらに、Liイオン伝導経路の視覚化の新規解析法の開発を推し進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
J-PARC/MLFでの中性子ビームが停止していた関係で、東海での実験のための旅費が少なくてすんだ。また、試料作製のための原料の購入において、過去に購入して残っていた原料を使う事ができた。 J-PARC/MLFでの中性子ビームが再稼働したので、東海への実験のための旅費、ならびに今後、電池特性の測定のための試料合成のための原料購入などに使用する計画である。
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