研究概要 |
本研究は、研究代表者が研究全般に責任を持って遂行するとともに、教育的効果を考慮し研究代表者の指導のもと大学院生1名と学部学生1名で下記実験を行った。 (1)鹿児島大学において、Mn1-xBix (x = 50, 55, 60, 70, 80)の合成をアーク炉を用いて行った。その後、本科学研究補助金で購入した小型電気炉により、均質化処理を行った。さらに、Bi リッチ試料など一部試料については焼結法をもちいて試料作成を行った。得られた試料は、鹿児島大学でX線回折装置を用いて評価された。試料の品質が不十分な場合は、十分な品質の試料が得られるまで、上記手順を繰り返し行った。x=50の試料について、鹿児島大学で示差走査熱量計(DSC)を用いて、ゼロ磁場過冷却状態の確認を行った。東北大学金属材料研究所強磁場センターの強磁場DTAによる過冷却過程の観測の準備に着手した。当初予定していた、米国強磁場施設では、逼迫する液体ヘリウムの関係でマシーンタイムが制限され、そのあおりを受けて、本年度の米国強磁場施設に強磁場DTA実験は実施できなかった。そのため、この実験はH26年度以降への実施の準備へと計画を切り替えた。 (2)磁場中過冷却過程の状態を観測するため、新たに「磁場中熱分析溶解同時観測装置1号機」の製作に着手、その製作に成功した。磁場中で外部刺激を与える空間も確保でき、平成26年度以降の実験に向けて準備が整った。 (3)直径50mmの空間において、試料溶解後の過冷却状態で外部刺激を与える装置の製作に着手した。
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