研究課題/領域番号 |
25630273
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60125549)
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研究分担者 |
伊藤 暁彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (20451635)
且井 宏和 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70610202)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 炭化ケイ素 / レーザーCVD / エピタキシャル成長 / 高速成膜 |
研究概要 |
本研究は、レーザー活性化化学気相析出(レーザーCVD) により高品質3C-SiCエピタキシャル膜を高速レートで合成することを目的とする。赤外レーザー照射によりCVD 成膜プロセスを活性化し、機能性セラミックス膜の成膜速度を飛躍的に高めることに成功してきた。本研究では、緑色レーザーの高い光エネルギー活性場により3C-SiC エピタキシャル成長の高速化を図る。さらに、膜構造解析を通して、レーザー活性特有の成長メカニズムを明らかにし、不純物や他形を含まない高品質3C-SiC の高速成膜に挑戦する。 平成25年度で得られた重要な2点を以下に示す。 1. 3C-SiC 膜の超高速成長:近赤外(CO2)や赤色(半導体)レーザー照射場では、3C-SiCの多結晶膜を1000 micro-m/h以上で高速成膜できることを見出した。さらに、(111)-3C-SiC エピタキシャル膜が約50 micro-m/hで気相成長した。これは、CVDによる既往報告値よりも1桁程度も高い成膜速度であった。 2. 3C-SiC 膜の新規積層構造:一般に(111)-3C-SiC エピタキシャル膜では、(111)面に積層欠陥が導入されるが、半導体レーザー照射場で高速気相成長した(111)-3C-SiC エピタキシャル膜は(11-1)面に積層欠陥を持つことを見出した。また、レーザー強度や成膜圧力と膜形態・構造の関係を調べ、微細な針状組織やピラミッド状組織を有する(111)-3C-SiC エピタキシャル膜が成長することを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
3C-SiCエピタキシャル膜の成膜速度は、従来手法・既往研究と比較して極めて高い値を達成している。さらに合成条件を最適化することで、100 micro-m/h以上を狙える段階に進められた点は、当初の計画通り順調に遂行していると言える。また、得られた膜の形態・微細構造は、これまでに報告例の無く、このような新規構造を持つ3C-SiCエピタキシャル膜の気相成長は、レーザー照射場での成長メカニズムを議論する上でも重要な足掛かりとなる。これらは、平成26年度に予定している課題の一部を先行しており、本研究が計画以上に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は以下の2点に焦点を絞る。 1. エピタキシャル成長のさらなる高速化:平成25年度ではレーザーCVDにより成膜速度を50 micro-m/h程度まで向上できたが、レーザー種を緑色(YAG2倍波)を用い、強い光活性場を導入することにより、成膜速度100 micro-m/h以上に挑戦する。また、レーザー強度や成膜圧力、加熱条件を最適化することにより、最速の成膜条件を探索する。 2.膜の高品質化と成長メカニズムの解明:本研究では、既往研究では見られない膜形態や構造を見出してきたが、これらの微構造を透過型電子顕微鏡により丹念に調べ、成長条件との関係を見出す。また、平成26年度はSi/C比をXPSやICPを用いて調べ、組成と微細構造を精緻に制御した3C-SiC膜のエピタキシャル成長を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費では、実験がスムーズに進み、当初予定した試料合成量を抑えることができた結果、比較的高額なCVD原料費を抑えることができた。また、真空系配管や排気系装置のクリーニングを細目に行い、多少寿命が延びたため、交換時期は次年度に繰り越すことにした。旅費に関しては、国際会議への参加を見送ったため、予定額よりも少額であった。 次年度使用額は、平成26年度請求額とあわせ、試料合成を加速させるため、CVD原料費に計上する。また、真空系配管や排気系装置の交換費にあてる。旅費は国際会議における成果発表のための渡航費として計上する。
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