強弾性結晶RE2(MoO4)3(RE:希土類)がRE2O3-MoO3-B2O3系ガラスから結晶化する際に、結晶自らが微粉化する自己微粉化現象の解明を加熱ステージ付きの偏光顕微鏡観察により行った。粒径が約40ミクロン以上の球状結晶でクラックが中心部分から周囲に放射状に発生し、結晶は自発的に破壊する。自己微粉化現象は希土類酸化物の種類に強く依存する。結晶の密度が、母体ガラスの密度よりも小さいために、結晶には大きな体積膨張が誘起され、内部応力の蓄積の結果、クラックが生成したというモデルを提案した。ガラス粉末の焼結により、RE2(MoO4)3結晶から成る緻密なバルク状の結晶化ガラスの作製に成功した。
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