本研究では,高電圧微小放電溶接法により,線径50μmのタングステン及びタングステン合金細線を溶接し,熱電子放出フィラメントを作製することに成功した.このフィラメントは,走査電子顕微鏡(SEM)に一般に利用されているヘアピンフィラメントより先端半径が小さく,高輝度な電子線源となることが予想される.そこで,作製したフィラメントをフィラメント用台座に溶接し,SEMの電子線源とし,実際のSEMに取り付けて画像観察を行い,ヘアピンフィラメントを用いた場合との比較を行った.その結果,試作フィラメントで撮影するほうが良好で奥行きのはっきりした画像を得られることが示された.
|