酸化チタン光触媒を植物にドープすることで,植物の模倣ではなく植物自体の活性を向上させることができないかと考え,酸化チタンを懸濁した栽培溶液を用いて植物を育成し,組織内部への酸化チタン微粒子の吸収と,酸化ストレスを指標とし生体機能への影響を調査した.組織中の過酸化水素量を測定したところ,光触媒と紫外線の照射により酸化ストレスが抑制された可能性が高いことがわかった.これは,紫外線や光触媒反応により生成された活性酸素種などに対して植物が応答し,抗酸化作用を活性化させたことによると考えられ,光触媒微粒子の導入により植物の抗酸化力が向上することが明らかとなった.
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