研究課題/領域番号 |
25630312
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
吉田 英弘 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 主幹研究員 (80313021)
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研究分担者 |
舟橋 久景 広島大学, サステナブル・ディベロップメント実践研究センター, 特任講師 (60552429)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 生体材料 / セラミックス / 生物・生体工学 / 微細組織 / 細胞電気刺激培養 |
研究概要 |
初年度の研究としてまず、電気刺激細胞培養のための準備として、電流-電位曲線(サイクリックボルタモグラム)の計測が可能な形状を有するマトリックスの製造が必要であった。研究代表者は、ZnOを主成分とし金属イオンを微量添加した半導体酸化物多結晶体マトリックスを製造し、また電流-電位曲線の計測に必要な電極の接着を試みた。多結晶マトリックスについては、いくつかの金属イオンおよび焼結条件を試行した結果、ZnO+2wt%Al2O3を窒素雰囲気中で焼結することで室温でも電気伝導を有する材料を製造することができた。この材料は熱や薬品に対しても十分な耐性を有しており、今後さらに細胞培養のための微構造の形成や、電気伝導のより高度な制御などを行うための基盤的技術が確立された。一方、真鍮製電極棒を伝導性ペーストで多結晶マトリックスと接触させ、測定面以外をポリエチレンコート処理することで、電流-電位計測を行うサンプルの準備に成功した。こうして作製した試料について、研究分担者は、基準電極としてAg/AgClを用い、1mMフェリシアン化カリウム水溶液中にてポテンショスタットを用いてサイクリックボルタモグラムの計測を実施した。また、試験片を硫酸水溶液中に一昼夜浸漬し、電極を含めた試料に影響が無いことを確認した。これらにより細胞電気刺激培養のための実験準備を完成させ、3D細胞電気刺激培養基板の機能計測の技術を確立させた。電流-電位特性からは、多結晶マトリックスについてはより広範に電気伝導率を制御させることが必要であることが示唆されており、多結晶マトリックスの特性制御を来年度以降引き続き行う必要性が見いだされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ZnOを主成分とした多結晶マトリックスを製造し、その電極接着およびポリエチレンコート技術を確立できたことで、耐薬品性を付加し、電流-電位曲線(サイクリックボルタモグラム)の計測が可能な形状を有するマトリックスが製造できるようになった。また硫酸中でも変質しない等、耐薬品性も確認でき、材料製造技術の立ち上げは確実に進んでいる。研究分担者によるサイクリックボルタモグラム計測も成功し、評価・計測の技術も予定通り確立した。今後さらに細胞培養のための微構造の形成や、電気伝導のより高度な制御など、より具体的な課題も現れてきているが、技術的指針は見いだされており、今後の取り組みにより十分解決が可能であると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き電気伝導性の制御ならびに多孔質マトリックスの製造に取り組む。平成25年度と同様の研究体制・分担のもとで、多孔質マトリックスの製造開発を継続すると共に、研究代表者と研究分担者が共同でその微細構造、電気伝導性、細胞接着性、耐熱・耐薬品性について調査し、3D細胞電気刺激培養のための微構造の最適化・機能向上を図っていく。細胞接着性を向上させる必要が生じた場合には、多孔質マトリックスの微構造制御と同時に、細胞接着性・親和性を高めるためにマトリクス表面へポリ-L-リシンやコラーゲンの表面吸着などの対応も適宜行っていく。
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