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2013 年度 実施状況報告書

新規レーザー誘起転写法とナノ集積回路の作製

研究課題

研究課題/領域番号 25630318
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東北大学

研究代表者

中村 貴宏  東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (50400429)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード薄膜プロセス / めっき / 配線
研究概要

本研究では,焦点付近において特異な集光特性を有する軸対称偏光ビームを用いたレーザー誘起転写法(Laser-induced forward transfer,LIFT)により,10 nmオーダーの配線や素子で構成される極小集積回路の作製を試みる.中心に穴のあいたドーナツ状の強度分布を持ち偏光が光軸に対して放射状に分布する軸対称偏光ビームを特定の条件で集光することで,レイリー限界を超えた微小スポットが形成されるだけでなく,光軸方向に縦方向電場が強く発生する.この微小かつ特異な電場をLIFTに応用することで,様々な基板上に10 nmオーダーの配線や素子をレーザー光のみによってワンステップで作製する.すなわち,マイクロ加工が一般とされているLIFTの概念を覆した新規ナノ構造形成手法を提案し,それによりナノ集積回路の作製を図る.
初年度は,軸対称偏光レーザービームを用いたレーザー誘起転写法(LIFT)による10 nmオーダーの金属ドットの作製を試みるために,顕微鏡光学系にフェムト秒パルスレーザーを導入するための新たな光学系を構築した.また,分割波長板を光学系に導入することで軸対象偏光ビームを形成し,それを用いたLIFTにより微小ドットの形成を試みた.通常の直線偏光ビームを用いたLIFTでは,フェムト秒パルスレーザーのフルエンスを制御することで先行研究の微小クロムドットを再現性良く作製することに成功した.一方,分割波長板を導入することで発生させた軸対象偏光ビームを用いたLIFTでは,通常の直線偏光ビームを用いたLIFTに比べて小さなドットを形成するに至らなかった.これは直線偏光板透過後のビームの横断面強度分布が均一なドーナッツ状ではなく不均一であることに起因していると考えられ,今後は空間フィルターなどによりビームの生計を行う必要があると考えている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は,直線偏光ビームによるLIFTを用いた最少ドット形成に関する先行研究の再現と,分割波長板を導入することで形成した軸対象偏光ビームによるLIFTを用いたドットの形成が目的であったが,後者に関しては焦点におけるビームの強度分布が直線偏光ビームを用いたものに比べて小さくならず,改善が必要であると考えられた.これに対しては空間フィルターなどを用いて分割波長板透過後のビーム強度分布を均一にすることで可能となるものと考えている.

今後の研究の推進方策

まずは,均一な軸対象偏光ビームを形成したのちそれをLIFTに応用することで直線偏光ビームでは達成することのできない最少ドットを基板上に直接描画することを試みる.その後,ピエゾステージを用いることで導電性の二次元あるいは三次元微細構造の構築を目指す.

次年度の研究費の使用計画

軸対象偏光ビームを用いたLIFTによる最少ドットの形成実験を行う予定であったが,ビームプロファイルの改善が必要となったため初年度に予定していた実験のすべてを行うことができなかった.
次年度では,つい実験を含めて得られた成果について学会ならびに論文にて発表することで繰り越し予算を執行する予定である.

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公開日: 2015-05-28  

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