本研究では,横断面強度分布を制御することで焦点付近において特異な集光特性を有するレーザー光を用いたレーザー誘起転写法(LIFT)により,10 nmオーダーの配線や素子で構成される極小集積回路の作製を試みることを目的に研究を行った.円環ビームを用いることで,通常のガウスビームに比べて焦点スポットサイズを大幅に低減することに成功した.また円環ビームを用いたLIFTによりこれまでに同手法を用いて形成された最小サイズの330nmを更新し,60nmのドットの直接描画に成功した.一方,二次元構造形成のためには基板と薄膜材料の独立走査が必要であることが明らかとなった.
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