これまで,Ni粒へのアルミナイジングと内部酸化,その後に硫酸によるナノロッドアレイの露出が可能であることが確認されていたが,表面に膜状の異物が形成することがわかり,その除去方法を確立するか,もしくは異物が形成しない化学研摩法を見いだすかが必要であることがわかっている.そこで,今年度は,化学研磨液を見直し,Niの化学研摩に実績がある酢酸,硝酸,硫酸,リン酸の複合酸化学研磨液を利用した.その結果,Ni板では膜状の異物が見られずにナノロッドアレイの暴露に成功した.しかしながら,Ni粒では,これまでと同様に異物の形成が認められた.化学研摩時間を長く取ることで異物はやや除去できるものの,完全には除去できていない.粒材のみで起きる異物形成に関してはNi中の不純物等の影響があるものと考えられる.化学研磨液の最適化によって化学研摩によるナノロッドアレイの暴露が可能であることが実証できた.
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