CrAlN/BN系膜は、800℃の大気中熱処理を施すと、1時間で36GPaから45GPaまで硬さが上昇し、その後緩やかに低下したが、8時間後でも37GPaの硬さを維持した。これは、膜中のAlNとBNが酸化され緻密な酸化物層が表面付近に形成されるためである。この酸化物層は、高い硬度とCrNの酸化を抑制する作用を有することが分かった。 AlN/SiCN膜では、酸素を0~5%含むAr雰囲気中、800℃×1時間熱処理すると硬さが約28GPaから最高で31GPaまで上昇した。この場合も、緻密な窒酸化物層(AlOxNy)が表面付近に形成されるためであることがわかった。
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