研究課題/領域番号 |
25630343
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
吉川 正和 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (60158417)
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研究分担者 |
富田 祐子 (半場 祐子) 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (90314666)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 正浸透 / アクアポリン / アガロース / 結合水 |
研究概要 |
最終目標がアクアポリンを含有した正浸透膜による淡水化膜の創成である。本研究課題の遂行にはアクアポリンをグラム単位で獲得する必要がある。このことから、平成25年度は、アクアポリンの単離法の修得に傾注した。 アクアポリンの植物からの単離法として、名古屋大学大学院生命農学研究科 前島正義 教授により報告されたプロトコール [Plant Physiol., 98 1248-1254 (1992)]に従ってアクアポンの単離を試みたが、論文に従ったアクアポリンの獲得には困難を極めることから、共同研究者である博士前期課程の院生である北条謙弥を名古屋大学に2013年7月11日~12日ならびに8月26日~27日に派遣し、前島正義 教授ならびに土平絢子 博士研究員直接の指導の下にアクアポリンの単離法を修得した。 また、正浸透膜素材としてアガロースに着目し、アガロース未処理膜ならびにグルタルアルデヒドにより架橋構造が導入されたアガロース正浸透膜を創製した。その結果、高浸透圧溶液(ドロー溶液)に25% NaCl水溶液、供給液に純水を用い、6.61 L m-2 h-1の透水量が得られた。 正浸透機能発現機構を検討するために膜内に存在する水の状態を示差走査熱量測定により行った。その結果、膜内には通常の水に加え、通常の水とは異なり、-80℃においても凍結しない、いわゆる、結合水が存在していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
水トランスポータであるアクアポリンの単離(獲得)が必須である。さらには、正浸透膜へ水トランスポータとして包埋することから、グラム単位でのアクアポリンの獲得を必要とする。タンパク単離に経験のない、応用化学系の研究者にとってはアクアポリンのグラム単位の単離は困難を極める。
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今後の研究の推進方策 |
水トランスポータであるアクアポリンの単離(獲得)は、これが本研究課題遂行におけるキー化合物であることから、初年度に引き続き、ダイコンからのアクアポリンの単離に傾注する。正浸透膜へアクアポリンを包埋することから、グラム単位のアクアポリンを必要とする。必要量のアクアポリン獲得までの時間を利用し、親水性天然高分子であるアガロースに着目し、このアガロースへ高い水吸着能を有する多孔質メソポーラスシリカ微粒子や天然高分子でありかつ親水性を示すセリシン等を水選択吸着部位として包埋することにより混合マトリックス膜 (mixed matrix membrane) を創成し、新たな正浸透膜の可能性の探索を実施する。
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