本研究では、まず、超臨界流体蒸着法による無機薄膜作製に必要となる金属錯体(前駆体)溶解度推算の基礎的検討として、Peng-Robinson状態方程式を用いた相関法について検討し、その際必要となる金属錯体の昇華圧を測定した。相関結果は実験結果を良好に再現した。次に、撹拌静置型の超臨界蒸着装置を新規に作製し、蒸着に対する撹拌の影響について、シリコンウエハ上への銅薄膜の蒸着によって検討した。その結果、本研究の操作範囲では、撹拌速度の上昇に伴い薄膜形状は良いものとなり、電気抵抗も減少した。さらに、2種の金属錯体からの同時蒸着によるコバルト-フェライト薄膜の作製について検討した。
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